今年度末にはクビでござる
今の職場でHTMLコーダーやデザイナーをやってるんだが、来年度からCMSを導入することになったので来春にはクビ、ということになった。いや、給料安いので別にいいけど。事務補助しかやってない人と給料同じだし。
しかしまあ、CMS入れたからって素人の集団がすぐにちゃんとできるなんてことはまずないだろうにねえ。これ書いてるWordPressだって、ブロック要素とか代替テキストとか何もわからんようなまったくの未経験者にとっては、そんなに簡単なものじゃないよ。
たとえばこんなことがあった。いくつかのPDFファイルにリンクが貼られているページの更新で、提出用様式とかじゃないただのドキュメントのPDFをWordファイルに差し替えろっていう依頼が来たので、なんでWord?って訊いたら「去年PDFで出したらWordにしてって言われたから」…って。
バカなの?
勉強しろぉぉぉぉぉぉ!
それは君がアクセシビリティ的にダメな、テキスト埋め込んでないPDFファイルで出してきたので、出しなおしって言ったらテキスト埋め込んだPDFファイルの作り方がわからないって言うから俺が親切心で作ってやったんだよ、説明しただろ。現に今はPDFになってんじゃん。2回目なんだから自分で調べて自分でPDF作れよ。
そもそも、普通にPrint to PDF使えばフォント埋め込みのPDFになるのに、むしろなんでできなかったのかこっちが訊きたいよ。
あとWordは無料ソフトじゃない、みんなが必ず持ってるソフトでもない、OSによっては対応版がない。なので読ませるためだけにWebにWordファイルを掲載するのはダメなのだ。提出用様式とかでユーザーにDLさせてWordで直接内容を書いてもらうのが狙いならいいだろうけど、本当はなるべくブラウザで完結するようHTMLで書かなきゃいけないのだ、アクセシビリティ的には。
こういうことは、教育ではきっと変えられないと思う。「視覚障害の人はどうやってWebを使うんだろう?」と思いをいたすところから「これじゃ不便だよな」という考えに至れるのだ。それは「他人に親切にする」とか「他人の身になって考える」といった、その人が生来持っている「性質」の問題。その性質を持ってない人は、JIS X 8341-3をいくら丸暗記しても、アクセシビリティの考え方はきっと本当の意味では身につかない。例えば、Alt要素が必要だということは知識としては知っていても、そこに視覚障害者は外観を知らないであろうものの固有名詞を入れたりすることになるのだ。
それでも最低限JIS X 8341-3の要旨と目指すところは理解しようぜ
現代はウェブアクセシビリティを遵守しないと訴訟のリスクすらある。ウェブサービスってのは、作り方次第で障害のある方にも非常に便利に使ってもらえる性質のものだ。せっかくのそのポテンシャルが無知や怠慢で活かせないとしたら、それは非難されても仕方ない。
こんなこともわからない人がCMS使ってサイト更新し始めたら、チェックと手直しが追いつかないよ。俺ぁ知らねえぞ。
ちなみに、今回の更新でWordファイルをボツにしてPDFファイルで出しなおしさせたら、5個中2個がEdgeで読み上げできませんでした。まあEdgeの読み上げはクセあるし最悪Narratorで読ませればいけるかもだけどねえ…チェックぐらいしようよ。結局、なんのためにそれやってるかがまったく理解できてないのよね。
でもまあそのまま貼っとくけどね! 今まで散々給料以上の仕事してきたし、自分の雇用が保障されてないってのに他人の怠慢のフォローなんかしてられっかっつーの。ウェブサイトでもSNS発信でも、相手に伝わらなきゃ意味がない。ページ更新を更新担当に発注したり、Xのポストの原稿書いて終わりじゃないのだ。